MoEのテクニックは英語が用いられていることが多い。
一部のテクニックはテク名→英語→日本語の処理がしにくい。
その中でも特に分かりにくいのがダイイングスタブだ(多分)。
一見するとdying stabでわかりやすいのではないかと思うが、実はダイイングはdyingではない。
dyingは「瀕死の」とか「死につつある」という意味の形容詞である。
dieは「死ぬ」という意味の自動詞なので、決して「殺す」という目的語を要する他動詞的な意味にはならない。
ダイイングがdyingだとすると直後の名詞であるstabを形容して「瀕死の刺突」という意味になってしまう。
刺突は行動であり、死ぬも生きるもない。
非生物に対しては「消えゆく」とか「臨死の」という意味でも用いられるが、「消えゆく刺突」や「臨死の刺突」でもおかしい。
「臨死の刺突」は意味が通らなくもないが、ダイイングファイアと違って使うたびに死にかけたりしないのでやはりおかしい。
だからダイイングはdyingではないのだ。
ほかにダイイングという音の語はdyeingというものがある。
実はこのdyeingこそダイイングスタブのdyeingに当てはまる語なのだ。
dyeingは動詞dyeの現在進行形で、dyeの意味は染めるである。
これがダイイングスタブからdyeingを思い浮かべにくい原因だ。
刺突という言葉からは死の縁語であるdyingの方が出てきやすい。
一方で染めるという一見平和な語は刺突から思い浮かべるのは難しい。
dyeは他動詞なのでdyeingは「染めている」ではなく「染めるような」または「(何かを)染めさせる」と訳す。
結局ダイイングスタブは「染めるような刺突」と訳せる。
これでもすこしおかしいが、他動詞の現在分詞は目的語の欠落が生じるので、目的語部分を補って意訳する必要がある。
欠落部分は合理的推測により判断可能なものになるので、使用状況からdyeの目的語を推察する。
ダイイングスタブをキャラクターが使う際、そこには敵とキャラクターと剣が確実に存在する。
まずキャラクターは染まらない。
次に敵は染まる。
刺されれば血に染まる。
剣も染まる。
相手の血で染まる。
ではdyeの目的語は剣か敵である。
ここでダイイングスタブの効果を思い出そう。
DoTである。
明らかに相手の流血を想起させるような効果だ。
これでdyeの目的語はダイイングスタブの対象である敵とわかるだろう。
つまり目的語を補って訳すと、「敵を染めるような刺突」となる。
意訳すれば「敵を血で染め上げるような刺突」だ。
これで意味が通るだろう。
やったね!これでダイイングの使い分けができるよ。
ダイイングファイアと言いたい時→dyingと打てばいい
ダイイングスタブと言いたい時→dyeingと打てばいい
・・・たぶんdyeingって何っていう人が出てきて余計に分かりにくくなるが。
オチ
技書を一応見てみたらダイイングスタブはDying Stabだったよ/(^o^)\ナンテコッタイ